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研究所と現場をつなぐ、エンジニアの採用基準

エアーサーフという会社の仕事は、いつも 2 つの場所のあいだで起きています。

ひとつは、論文と特許と試作機のある研究の場所。もうひとつは、装置が実際に稼働しているお客様の現場。

新しい技術は、研究の場所で生まれます。しかし、それが社会の役に立つかどうかは、現場で動いてはじめてわかります。── このふたつの場所を行き来できるエンジニアは、実はそう多くありません。

採用面接でいちばん時間をかけているのは、応募者がこの「往復」をできる人かどうか、を見極めることです。

研究だけでも、現場だけでも、足りない

世の中には、論文を書ける人と、現場で装置を直せる人がいます。両者のスキルセットは、似ているようで全く違います。

このどちらかが優れていれば、それぞれの場所で活躍できます。しかし、エアーサーフが求めるのは、その両方を行き来できる人 です。

なぜか ── お客様の現場で起きていることを、研究の場所に持ち帰って物理的に整理し、新しい技術として返す。逆に、研究の場所で生まれた発見を、現場で実装可能な形に翻訳して届ける。── この往復が、私たちの仕事の本質だからです。

採用面接で必ず聞く 3 つの質問

1. 「過去にあなたが解いた、いちばん難しい問題を 1 つ教えてください」

聞きたいのは、問題そのものではありません。問題に向き合った時のあなたの思考の動きです。

優れたエンジニアは、必ずこう答えます。「最初は X だと思っていました。しかし測定したら Y で、原因が想定と違いました。再度仮説を立て直して、結局 Z でした」。仮説 → 検証 → 修正の動きが、答えの中に必ず入っています。

2. 「自分が間違っていたと、最近気づいたのはどんなことですか?」

これは、自己客観視の能力を測る質問です。研究と現場の往復をする仕事では、自分の判断ミスに気づくスピードが、結果の質を決めます。1 ヶ月放置した誤判断は 6 ヶ月の手戻りを生み、6 ヶ月放置した誤判断はプロジェクト全体を破綻させます。

3. 「物理現象を 1 つ選んで、それを高校生に 5 分で説明してください」

これは、知識の構造化能力と、伝達能力を同時に測ります。良いエンジニアは、複雑な概念をいくつかの直感的な絵に分解できます。専門用語をそのまま使わず、身近な比喩で骨格を伝えます。この能力は、お客様との打合せで技術内容を説明する力と、ほぼ完全に重なります。

スキルより、「往復のリズム」を見ている

これら 3 つの質問は、応募者の基礎スキル ではなく、応募者の思考のリズム を見るためのものです。

  • 仮説と検証を往復するリズム
  • 判断と振り返りを往復するリズム
  • 専門と一般を往復するリズム

エアーサーフの仕事は、研究と現場という 2 つの世界を行き来し続ける仕事です。世界を行き来できるリズムを持っているかが、長期的な活躍を左右します。

スキルは入社後でも身につきます。しかし、リズムは入社時の本人の中にすでにある何かで、これは入社後に作るのが極めて難しい性質のものです。だから、面接ではここを最優先で確認します。

結び ── 採用は、信頼の入り口

エアーサーフはまだ少人数の会社です。これから 30 名、50 名と規模が大きくなっていく時、採用基準を文書化して、ブレなく運用する課題が必ず出てきます。

いま私が確信しているのは、「研究と現場の往復ができるエンジニア」は、社外の方からも信頼を得る、ということです。お客様が安心して技術相談を持ち込める相手になるには、研究の言語と現場の言語の両方を話せることが、ほぼ必須条件です。

ご興味のある方は、ぜひ カジュアル面談 からどうぞ。3 つの質問のうち、どれかから話し始めましょう。


著者プロフィール
株式会社エアーサーフ 研究・開発最高責任者。動力技術の研究開発に長年従事。